ばいあすにゅーたうん

誤解を招く日記

OCNのIPv6 IPoE接続で下り200Mbpsの壁を突破する【後編】

前回の続きでーす。
bias-nt.hatenablog.jp

4.IPv4 over IPv6トンネルの作成

IPv4 over IPv6トンネルを作成します。
OCNとのIPv4 over IPv6接続は「OCNバーチャルコネクト」という技術を利用しているようです。
MAP-Eというプロトコルを利用し、グローバルIPv4アドレスや、利用可能なTCP/UDPのポート情報を渡されます。

interface Tunnel127.0
  tunnel mode map-e ocn 【トンネル種別をOCNバーチャルコネクトにする】
  ip address map-e 【MAP-EでもらったGIPをセット】
  ip tcp adjust-mss auto
  ip napt enable 【NAPTの有効化】
  ip napt hairpinning
  no shutdown

上で少し触れましたが、貰ったグローバルIPv4アドレスで利用可能なTCP/UDPポート番号はフルポート(0-65535)ではありません。
複数の利用者で分配されるようです。
ちなみに、MAP-Eで取得した情報はshow map-e statusコマンドで確認できます。

Router(config)# show map-e status
Tunnel interface: Tunnel127.0
  Vendor Name: OCN
  Status: active
  Transport information:
    CE IPv4 address is 【グローバルIPv4アドレス】/32
    CE IPv6 address is 【グローバルIPv6アドレス】/64
  NAPT translation port:


  【ここに割り当てを受けたポート番号の羅列】


  Request statistics:
    Last Request: 2022/06/22 20:35:50
    Last Update : 2022/06/22 20:35:51
    41 request, 41 success, 0 failure

つまり、任意のポートで待ち受けするようなことができなくなるってことですね。
サーバやカメラ等を外部へ公開しているような人は要注意です。
固定のグローバルIPv4アドレスが貰える契約であれば、フルポート使えるそうですが。

5.デフォルトルートの切り替えとプロキシDNS設定

いよいよIPv4のデフォルトルートをIPv4 over IPv6トンネル側へ切り替えます。

ip route default Tunnel127.0

プロキシDNS(IPv4)機能の設定で、IPv4端末からのクエリを受けた際に、IPv6DNSサーバへ問い合わせるようにします。
網側から貰っているDNSサーバはIPv6だけですので。

proxy-dns ip enable
proxy-dns ip request both 【IPv4端末からクエリを受けた際IPv6のDNSサーバへ代理問い合わせする】
proxy-dns ipv6 enable


以上で設定完了です!

6.測定

環境はこんな感じです。有線接続できる端末がなくてすみません。

(インターネット)-----[ONU]---[Router]---[Access Point]~~~[スマホ]

見事、下り200Mbpsの壁を突破できました!

7.参考資料

jpn.nec.com

jpn.nec.com


ちなみに、パケットフィルタは入っていますが、恥ずかしいので省略しています。





おしまい