ばいあすにゅーたうん

誤解を招く日記

祖父

祖母が亡くなって約2年。祖父も亡くなった。四十九日も終わり、今頃向こうで楽しくやっているだろうか。

 


祖父は茨城生まれ茨城育ち。8人兄弟の次男。働いていた時、機銃掃射で撃たれたらしいけどセーフ。よく考えればこの時、俺も命拾いした。

 


祖父といえば掃除していないと落ち着かないような人で、庭掃除や草むしり、家の掃除、車の掃除、革靴を水洗いし、フライパンのテフロンを全て剥がしてピカピカに磨くなどの掃除魔であった。

 


勤め先を早期退職した後は、私を元職場へ連れて行ってくれた。コールタールの匂いを嗅ぐとあの頃を思い出す。マックスコーヒーをよく買ってくれた。その帰り道、自転車を漕ぐ祖父が力尽きて、2人まとめて転んだ事を覚えている。

 


介護施設に入ってからは、段々と手足が自由に動かなくなってしまい、ここ数年は会いに行ってもいつも寝ていた。声をかけても起きなかったし、話もできなかったので、なんだか死んだという実感がなかった。(祖母は話はできなくても、目を覚ましていたので、なんとなく違った)うるさかったじいちゃんも死んちゃうんだなという気持ちだ。

 


通夜の日、酔った父と叔父が、祖父は孫である私が生まれてからすっかり丸くなったという事を言っていた。自分達が子供の頃は厳しかったし、小言が多かったと父。私も父に対して、似たような事を思っているのだが、まあなんか、そういうものなのかなという気持ちだ。

 


祖父は写真を撮る側だったので、遺影の選択肢が少なかった。祖父の家を探したところ、結婚式の写真(若すぎる)やら、慰安旅行で芸者さんとどんちゃんしてた写真が出てきた。祖父にしてはどんちゃんし過ぎていたので皆んなで笑ってしまった。それにしても昔のどんちゃんは凄い。皆様もどんちゃん写真にはご用心という教訓です。