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風たちすぎ

先日、カラーボックスを購入した。

 

組み立てたが終わり、ごみをまとめていると、梱包に使われていた発泡スチロールが目に付いた。
ボックスの板を保護する板状のものと、隙間を埋めるために使われていた角材があった。
とても薄くへにゃへにゃしている。

 

なんとなく、飛行機が作れるのではないかと思い立ち、さっそく作ってみた。
切ったり貼ったりで5分もかからずに、漢字の「士」のようなへにゃへにゃ飛行機が出来上がった。
バランスなど適当に作ってしまったから飛ばないかもな、と思いながらまずは室内で飛ばしてみた。
意外と真っ直ぐ飛ぶではないか。
しかし、この狭いアパートの一室では、3mも滑空すれば壁にぶつかってしまう。


もう少し広い所で飛ばしてみたい。そうだ、裏の広場ではどうだろう。
段差もあるので滑空距離が稼げるかもしれない。
ワクワクしていた。
まるで少年の頃に帰ったかのようだった。
その日は台風19号が関東にやってくる前日だった。
今日は風もある程度あるので、ひょっとしたら上昇気流に乗って空高く飛び続けるのではないか。
飛行機を飛ばす前に、自分自身が飛んでしまいそうだった。
それくらいワクワクしていた。


いざゆかん。大空へ。


靴を履き、玄関のドアを開けると風が吹き込んできた。
飛行機は風に煽られ胴体から真っ二つに折れた。

 

生きねば。