ばいあすにゅーたうん

俺は屁をこくシステムだ

…という夢を見たんだぜ

車の調子が悪いらしい。

ブレーキの効きが悪いため、車を停めた。

 

町はずれの倉庫がぽつぽつと建っているような場所である。

ここら辺は、あまり治安が良くない場所だと聞いたことがある。

だが、見渡してみる限り、人がいる様子もないので大丈夫だろう。少し車を休ませる事にした。

 

しばらくすると、男がやってきた。

全く油断していた。身を潜めて様子を見ていたが、男はこちらを気にする事も無く車の横を通り過ぎ、目の前にある大きな建物の裏へ歩いて行った。

何もなかったが不安になり、車を走らせる事にした。

男が歩いていった方が出口になるので、そちらへ向けて車を走り出させる。

 

建物の裏へまわると視界がひらけた。建物裏には道があり、その向こうに塀が建っていた。

塀の向こうは、古ぼけたあばら家のような建物が連なっていた。

塀の向こうに人影が見えた。女だ。しかも裸である。裸の女が行き来している。

つい、目を奪われてしまった。車をゆっくりと動かしながらまた裸の女が建物から出て来やしないかと見つめる。

また出てきた。しかし女一人ではない。先程の男も裸で歩いていた。

女に誘導されて小さなあばら家の一つに入っていく。

俺は合点がいった。昔XXさんに、XX沿いのXXの裏には風俗街があると聞いていたからだ。

なるほど、ここがそうだったのか。建物裏の出口から大通りに出て行った。

 

暫く走ると、踏切があった。

車の調子が悪いので気を付けなくてはいけないと慎重になる。

踏切の前で一時停止すると、左手から列車が走ってきた。危ない。

遮断機は下りていないし、停まってよかった。列車が過ぎるのを待っていると、踏切の手前の空き地に黒塗りの高級車が数台停まった。

何事かと眺めていると、先ほどの列車からA殿下が降りてきた。

なるほど、これは御用列車だったのか。と理解しA殿下が車に乗り移る様子を眺めていた。

 

ハッと目を覚ますとテレビがついたままであった。

どうやらテレビを見ながら寝てしまったらしい。

布団に移り、寝なおす事にした。

 

 

 

「見てください!海の底一面が蟹でいっぱいです!」

 

産卵の季節だそうだ。

蟹達は気が立っているらしく、自分達を映すカメラを攻撃するように近付いてくる。

蟹がカメラマンの頭に乗った。

鋭い脚がカメラマンの首筋を這う。

 

「ぐあっ!」声を上げて飛び起きた。

首筋に違和感を感じたからだ。

電気を点けても何もいない。

蟹はいない。

 

 

 

再び目をつぶると神社の様な場所にいた。

「ここは、ひとみ婆さんが祀られています」と説明をうけた。

奥の部屋に入ると、この一帯を治める大君が床に臥せっていた。

もう長くないらしい。

 

間も無く顔に蟹のほぐした身を載せる儀式が始まった。

皆すすり泣きながら顔面に蟹のほぐした身を載せていく。

 

「大君は、何故大君になられたのですか?」

 

俺は純粋に気になり、質問をした。間髪入れず、お付きの者が声をあげた。

「そのような事を…!聞くでないっ!」

臨終に際して、このような質問は非礼だったのであろう。俺は軽く頭を下げて申し訳なさそうな顔をした。

 

大君は、始終無言であった。

 

 

 

鑑定の方、お願いいたします。